🔵 楽曲『 Love to Vision 』コンセプトノート
- 2022/12/21 16:40
- Category: concept note

《歌詞について》※全曲共通
どこの国や地域の言語でも、必ずそれぞれの言葉が「記号」として成り立っているものですが、そのように認識されている「記号」を除いて、"言語として解読できないもの" にすることで、声の抑揚や話している人の感情、または雰囲気のみで、何を言おうとしているのか表してみる、伝えてみる、という試みです。
これまで演出面において、独自の世界観を作った上で「メタ朗読」を行ってきた私ですが、日本語のテキストを読むにしても、その語りが音楽的に聴こえることを切要としてきた者としては、今回の手法をぜひ音楽として表現してみたいと考えました。
その手法を用いることによって、「国境を越える」という「音楽の特性」へ、さらに近づいた "新しい言語" のように、Audience の皆さんへ受け取っていただければ嬉しく思います。
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《タイトルと内容について》
「Love to Vision」、楽曲中にそのような言葉が出てきます。
しかし私が自らそう発したワードではなく、音声素材をpolymoogさんへお渡しし、彼が編集作業を行ってくださっているうち、たまたまそう聴こえるフレーズが、曲のフックに現れたものでした。
そのように偶然できた「Love to Vision」というワードは、今回の制作に際して、非常にしっくりくるシンボリックな言葉だと思いましたので、それを枢要とし、タイトルとしたい考えました。
ものつくりにおいては、そのように偶発性を味方につけられると、作為を超えた方向へ作品全体が広がりを見せる可能性が生じますので、今回それが起きたことを私は非常に嬉しく思い、大切な出来事だったと捉えています。
『 Love to Vision 』ー Visionを愛する ー
脳神経科学の分野において、「すべての現実は脳が作り出した "Vision" (幻想)である。」との研究結果が報告されていることを、ご存知の方も少なくないでしょう。
それは、ベルクソン哲学における生命の本質を把握する上で、最も重要な "意識" の問題とも緊密で、"意識" については、それこそが我々を生かし続ける生物学的メカニズムによって形成されるものである、ということの検証も進められています。
すなわち「脳が作り出した "Vision"」は、我々の "生" を現実に繋ぎ止めるのに必要不可欠な現象である、との推論が立つと私は考えるのです。
人間にとって、その精緻な "Vision" があるからこそ、その人にとっての "現実" もまたリアルに存在し、総体的には "真実" たり得るのではないでしょうか。
ですから臆せず、自分の脳が作り出した "現実=Vision" を、"Vision=現実そのもの" を、愛していきませんか?...
何故ならばその全てが、あなたにとっての "真実" に他ならないのですから。
▪︎ Love to Vision - Kohya Arimura https://youtu.be/H3VGjsdjZH4
〈with Special thanks and respect to polymoog(ELEKTEL) for his musical big cooperation.〉