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仙川

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今日は仙川に遊びに行ってみることにした。
仙川は、自宅から徒歩で往復すると、ちょうど気が済むくらいの距離にある。

まずは、車道の脇の細い歩道をひたすら歩く。
途中で「宗教団体アーレフ」の広報部長らしき人とすれ違う。
無宗教者も信者も関係なく、天気の良い日は散歩してみたくなる。
そこに問題は、全くない。

旧甲州街道をずんずん下っていると、
ランドセルを背負った低学年の女子小学生が二人、いつのまにか私の前を歩いていた。
下校中の仲良し二人組なのか、小鳥のようにじゃれ合っている。
阿部和重氏の『グランド・フィナーレ』とオーバーラップするワンシーン。

彼女らが左折したあと、
小学5~6年でツインテールの女の子が一人、こちらへ向かって直進していた。… が、
目の前3mほどの所で私の後方に愛犬を見つけたらしく、
突然「テリー!」と呼んで走り出した。
その声はとても澄んでいて、ココロが洗われるような、なんというか、
何百年も受け継がれてきた伝統技術を持つ匠が全力で腕をふるい、
魂を吹き込んで作り上げた銀の鈴が鳴ったかのような、本当にそんな感じの、
一心で、天にも届く美しい声で、
私の頭にも録音された。

それからしばらく「テリー!」を反芻したり、
ヒヨドリを見たり、雀の声を聴いたり、
こんにゃく工場の前を通ったり、手作り陶器の店を覗いたり、
暖かさに上着を脱いだり、飛散する花粉の量に驚いたり、
どこからか漂う沈丁花の香りを愉しんだり、
青空を仰いだりしながら歩いた。

仙川に到着。
橋の上から川面を覗き、暫くぼぅとする。
なんのことはないごく普通の川だけど、小さな中州にはセキレイとカモとシギがいて、
せせらぎはキラキラ反射していた。
車椅子の老婦人を押しながら、私と同じくらいの年齢の女性が川沿いの道を歩いている。
彼女はお嫁さんなのか、ヘルパーさんなのか、介護職員なのか、
いずれにしても、二人とも楽しげで幸せそうだった。

いろいろなものを見た。いろいろなものを聴いた。
散歩はいいな、とあらためて思った。

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Eitp

  • Author:Eitp
  • Et in terra pax is an theater-performance team formed by the performer Kohya Arimura(有村肯弥) in 1991.
    This is solo project of her.
    The project is combine the silent solo performance with the border transgressive space created by music, art, video, text and lighting, in order to show a manifestation of consciousness and sensitivity.
    And continue to produce a solo stage of her is reading+sounds+Scenic art of a new style in recent.

    "Et in terra pax, hominibus bonae voluntatis."
    〈And peace in the earth, for the good faith people.〉

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