見えるのだからしかたない
- 2005/07/23 04:16
- Category: soliloquy

ここんとこちょっと考えて、解ったことがある。
私が日記に動物や子供や植物や水や老人のことばかり一生懸命書いているのは、たぶん、自分が何度か死んだからだろう、ということ。
人知れずひっそり「これはもう本当にいよいよ終わりだ」と腹をくくった瞬間を何度か味わって、それでも奇跡的に延命して現在がある。
要するに、生まれなおしたつもり。
きっと、今は幼稚園児くらい。
それだから、自然や子供やお年寄りや、シンプルなもの、ささやかなもの、いにしえのもの、根源的なもの、なんかに興味が向かって、しかもできるだけそのままを記したいと思っているのかもしれないし、「ああ、世の中はこんなに素晴らしいのだ」と、何度でも思い直したいのかもしれない。
きっと、そんな愛しいものばかりを自分で選んで見ているのだ。
もうひとつの理由は「普通になりたい」ということ。
私が勝手に自分で思うところの「普通」。普通になりたい。
普通に憧れている。普通の人になりたい。普通が好きなのだ。
しかし不思議なことに、そうなりたいくせに、怪物みたいなパフォーマンスを続けている。
何故かと考える。
考えているうちに、沸々と悪夢や魑魅魍魎が湧いて、作品に現れてしまう。
多少苦しいけれど、しかたない。
そういう循環こそを、有り難いと思え。