
早いもので、あれから1年経った。
万感胸に迫るが日常は情け容赦なく寄せ来ては、
鮮明に浮かぶハルの死に際を脳裡からさらって熱を奪った後、また寄せて返す。
そうして、その波に溺れそうになっていると、
どこからか帰ってきた叔母の猫が「飯をくれ」と私の部屋を訪れて
平温の行為の岸へと引き上げてくれる。
時に猫という生き物は、天からの遣いではなかろうかと思わせてくれる所作をする。
コイツもそうだし、あの子もそうだった。ハルもそう。
おかげで私はこうして地に足を付けて居られると言っても良い。
生きている猫、死んでしまった猫、すべての猫達に感謝。
そして、遺骨になってもなお1年を私と過ごしてくれたハルに冥福を。
安らかに、安らかに...。
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6月6日。
一周忌を終えたこともあり、動物合同納骨堂へ遺骨を納めてきた。
場所は上から3段目の一番右、静かな所。
すぐ上の段には同じような白黒の猫の写真が飾られていた。
1年間、自分の部屋に遺骨を置いていたが、
いざ納骨となると再び今生の別を味わうようで、かなり辛い。
天国で幸せに、良い友達と暮らせるようにと祈る。